飲食店におけるリスティング広告の効果は期待できる?

みなさん、こんにちはカワモトです。
さっそく本題ですが飲食店がお店のPR・宣伝をする方法にはチラシ、テレビ、ラジオ、インターネットと様々な広告媒体があります。
今回はインターネット広告の中でも特にメジャーなリスティング広告について、飲食店と相性がいいのか、効果は期待できるのかを紹介したいと思います。

目次

そもそもリスティング広告とは

そもそもリスティング広告とは?

リスティング広告はGoogle検索やYahoo!検索などの検索サイトにてユーザーが検索したキーワード(検索語句)に連動して表示できる広告のことです。

例えば、天王寺駅周辺で洋食店を営んでいる場合、「天王寺 ディナー」といったキーワードで検索しているユーザーに対し、検索結果の中に自店の広告を配信することができます。そのため、来店する見込みの高いユーザーに効率よく広告を配信することができます。

「天王寺ディナー個室」の検索結果

また、基本的にリスティング広告はクリック課金と呼ばれる仕組みになっているため、自店で配信した広告が表示されても興味を持ってもらえずクリック(スマホの場合はタップ)されなければ1円も掛かりません。さらに、クリックされた際の費用も設定するキーワードによりますが1回のクリックで数十円〜百円程度から広告を配信可能です。

そういった費用対効果が高いといった背景から、リスティング広告は多くの企業で利用されている人気のWEB広告の1つと言われています。

リスティング広告と飲食店の相性

飲食店とリスティング広告の相性はどうか?

ここまででは飲食店とリスティング広告の相性は良さそうに聞こえます。
リスティング広告は1万円程度の低予算から始められるため、なおさら良さそうです。
しかしながら、筆者である私はあまりお勧めしません。ここからは私が飲食店にリスティング広告をお勧めしない理由を解説していきます。

検索しているユーザーの検索意図

まず、先ほどの例では「天王寺周辺でディナーを探しているユーザー」に対し広告を配信しています。しかし、「天王寺」と「ディナー」だけでは情報量が少なすぎです。

和食なのか洋食なのか。一人なのか複数人なのか。喫煙者なのか。子連れなのか。車椅子の方なのか。予算はどの程度を想定しているのか。など、ユーザーの内心ではある程度の条件があるにも関わらず、そのキーワードまでは入力せずに調べています。
そして、心に秘めた条件に合致しなければ自店の広告をクリックすらしてくれません。

では、なぜ多くの方は細かな条件までを入力しないのでしょうか?
指でポチポチと入力するのが面倒だからという理由もありそうですが、おそらくは「複数の候補を見つけてその中から自分の条件に合う良さそうなお店に行きたい」というのが本音だからではないでしょうか。

ユーザーが「天王寺 ディナー」と調べて、自店の広告が表示され、そのすぐ下に「食べログ」や「ぐるなび」といったポータルサイトが表示されればそちらをクリックする方が多いのは明白です。
ポータルサイトでは天王寺周辺でディナーに行けるお店が一覧で多数表示され、さらには行ったことのある方の口コミ・評判まで分かるのですから、自店の広告1つだけを見てすぐにお店まで来てくれるユーザーは残念ながら多くはないでしょう。

リスティング広告の本領が発揮できない

リスティング広告の一番の強みは運用型広告であるが故に、常に改善に取り組むことができることです。
広告を配信したのにあまり売上が上がらない…もしかしたら広告を配信する時間帯が悪いのかもしれない。あるいはもっと違う地域にも配信した方がいいのかもしれない。さらには広告の内容をもっと違う表現にした方がいいかもしれない。
このようにリスティング広告は広告を配信してからの状況に応じて様々な施策を練ることができます。

しかし、飲食店の場合ですと改善するための最も重要な成果計測が困難です。ここで言う重要な成果とは来店者数増加に伴う売上UPです。
リスティング広告を見たお客様が実際に来店しているかどうかの計測が現在の技術ではほぼできません(ネット上での完全予約型の店舗であれば可能です)。

したがって、「リスティング広告をしたから売上が伸びた」といった正確な根拠を示すことができず、広告をやって良かったのかどうかがわからないので広告の内容を改善しようがないと言うのが現実です。

逆にリスティング広告に向いているのが大手ネットショップのAmazonなどです。インターネット上で購入・決済まで完結しており、広告の成果計測が容易でリスティング広告の内容を改善しやすいためです。

費用と代理店の課題

上述したように多くの飲食店の場合、リスティング広告を配信しても成果が不透明で運用(改善)のしようがないのが実情です。しかし、それを理解した上でリスティング広告を配信する際にも課題が残ります。

まず、1つ目の課題が費用面です。リスティング広告は月額1万円からの少額でも広告ができますが、残念ながら1万円程度の広告費ではほとんどやっていないのと同じレベルしか広告を配信できません。

では、10万円ならと考えるかもしれませんが毎月10万円というのは正直言って大金です。
成果が不明瞭なところにそれだけの額を回せるかというと難しい方が多いのではないでしょうか。
ましてリスティング広告はチラシのように作って終わりのものではなく運用型の広告ですから、成果が不明瞭であることは置いといても毎月10万円掛けて放置というのも申し上げにくいのですが正気の沙汰とは思えません。

次にプロ(広告代理店)に依頼するのはどうかという発想です。ここでも課題があります。
広告代理店に勤めている私からすると「任せてください」と答えるような企業は信用できません。やめといた方がいいと思います。
私と同じように成果がはっきりとしないので、お勧めできませんが大丈夫ですか?と一言あればまだ信用できますが、それでもお勧めできません。

広告代理店の多くは広告の手数料で利益を得ています。
一般的な相場では広告費の20%が広告代理店へ支払う手数料として必要となり、広告費が10万円であればさらに追加で手数料が毎月2万円必要です(つまり毎月12万円の支出です)。
しかし、言いにくいのですが利益2万円程度ではやってられないというのが広告代理店の本音です。多くの場合、最低出稿費用が設定されていたり、広告費が30万円以下の場合は一律で手数料が5万円掛かるなどと言われたりすると思います。

そうなると、少額から始められることがメリットであるリスティング広告のはずが毎月数十万円という話になってしまいます。広告を配信して効果があるのかないのかよくわからないものに数十万円も毎月出せますか?あまり現実的ではないように感じます。

まとめ

飲食店におけるリスティング広告の効果は期待できる?まとめ

ここまで飲食店にはリスティング広告は向いていないという内容でお届けしてきました。
やる気になっている方がいらっしゃいましたら水を差すようで申し訳ありません。

ここまで述べてきておかしな話ですが、飲食店のリスティング広告は「全くの無駄ではない」ということも最後にお伝えしておきます。特に新しくオープンしたお店であれば、まず多くの人に認知してもらうことが重要ですので、来店してもらえればもちろん嬉しいが、とにかく知ってもらうことを目的にリスティング広告を行うというのはむしろ推奨です。

上記の場合はリスティング広告だけではなくSNS広告など他の広告と併用して行えばより効果的だと思います。オープンから3ヶ月間のように期間を決めておけば広告費の課題も柔軟に対応することができるでしょう。

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